漆椀の修復 金継ぎ -その3(麦漆編)

さて、いよいよ「麦漆」を作ります。

麦漆とは漆でつくる接着剤。
生漆と小麦粉、水でつくります。

「麦漆の強度はどのくらい?」って
よく聞かれますが、

モノによって違いはあるけど、
結構、強度はあるらしいです。

麦漆は、とてもゆっくり乾いていくのですが、
先生によると、
ゆっくり乾いたものは長く強度が持つ
とのことで、

速乾性の接着剤は、その時の強度は強いけど、
時間が経つとポロッと取れたりする。

だけど、同じものでも
麦漆のは長くくっついているとのこと。

今回のような木製の漆椀だと
麦漆の方が強いだろうとのことでした。

目次

4.麦漆づくり

実は、麦漆を作るのは初めて。

材料は、

・小麦粉(強力粉)
・水
・生漆

です。

まず、小麦粉を水で練ります。

麦漆のため小麦粉に水を落としているところ

沢山はいらないので、
スポイトで1滴づつ落とし、調節していきます。

麦漆づくり 小麦粉を練る

小麦粉を木べらで練っていきます。

硬めに練ったほうがいいらしいです。かたねり。

ある程度、練れたら、
生漆を入れます。

生漆をまぜる

生漆をヘラにつけて
少しづつ練った小麦粉に混ぜていきます。

麦漆 生漆と練った小麦粉を混ぜる

だんだん生漆の色っぽくなってきます。

麦漆 漆の接着剤 生漆をまぜる

このくらい、粘りが出てきたら完成です。

 

5.麦漆を塗る

ムロにいれていた椀が乾いたら

麦漆を塗っていきます。

麦漆を漆椀に塗る

まずは、椀の布部分に薄く塗ります。

漆椀に麦漆を塗る作業

ふちの部分にも丁寧に塗っていきます。

はみ出しても大丈夫。
後で、拭き取ります。

麦漆塗り

漆椀修復の麦漆塗り

こんな感じです。

欠片の方にも塗っていきます。

漆椀修復 欠片に漆を塗る

次は、いよいよ接着!
長い間バラバラだった欠片がようやくくっつきます。

欠片、なくさなくて良かった~。

<漆椀修復のリンクはこちらへ↓>

漆椀の修復 金継ぎ-その1(欠けと取り編)

漆椀の修復 金継ぎ-その2(下地編)

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